経営承継支援
今、なぜ「経営承継」が注目されているのか
経営承継のポイントとは
「黒字決算を継続して、後継者が引き継ぎたいベストな会社を創ること」です。
1986年には約533万社であった中小企業数は、2016年には約381万社と、この30年間で中小企業は約152万社減少しまた、2009年から2014年にかけて39万社減少しています。その主な理由として、需要の頭打ち、競争が激しいに加え、後継者がいないことが事業縮小や廃業に追い込まれる主因となっています。
また売上高10億円企業の社長の平均年齢はこの20年間変わらないのに対して、売上高1000万円未満企業の社長の平均年齢はこの20年間で5歳以上高くなっています。これは中小企業では社長の高齢化が進み、世代交代が進んでいないことを意味します。
特例事業承継税制の創設
これまでご説明したように、廃業する企業が増え、企業数も激減しています。また経営者の高齢化と共に後継者不足も深刻です。それにも関わらず、経営承継の準備はなかなか進んでいない。このような状況を放置すれば、雇用の確保ができず、素晴らしい技術やノウハウも喪失してしまうため、国もいよいよ重い腰をあげ、経営承継のための総合的な支援策を打ち出しました。
それが「特例事業承継税制」なのです。
事業承継の際の多額の相続税負担への対応として、平成21年の税制改正において、雇用確保を含む5年間の事業継続とその後の株式の継続保有を要件に、非上場株式の課税価格の80%に対応する相続税の納税猶予制度が創設されました。
しかしながらご存知の通り事業承継はさほど進展しませんでした。その理由は(1)5年間の事業継続を求めた5年平均で雇用の8割が維持できなければ納税猶予が打ち切りという点と、(2)贈与または相続された株式の3分の2までの株式、かつその価額の8割までが猶予対象、つまり約53%(3分の2×80%)のみが猶予対象であった点と言われています。
平成30年改正では、(1)については雇用要件を実質的に撤廃し、(2)については対象株式の猶予対象を100%としました。なおこの税制を活用するためには平成30年1月1日から平成39年12月31日までの相続または贈与が対象となり、また平成35年3月31日までに税理士等の認定経営革新等支援機関の指導や助言を受けて作成した特例承継計画の認定が必要となっています。政府はこの10年間で中小企業の事業承継を一気に進展させようと画策しています。
経営承継基本方針の策定
後継者をきめても、「明日からすべて任す」というのは不可能ですし、また無責任です。経営承継には会社の経営理念やビジョンなどを体得し、経営者としての心構えを学び、経営力を向上させる十分な時間が必要です。また経営承継に伴う地位や財産の承継プランも検討しなければなりません。以下の内容の経営承継基本計画を立案し、円滑な経営承継を実行するための必要条件と十分条件を整理することが大切です。
経営承継基本計画の内容
(1). 経営理念、ビジョン、数値目標の確認
(2). 経営承継の当事者(後継者)と時期
(3). 後継者の経営力向上プラン
(4). 関係者に理解を得るための方策
(5). 地位と財産の承継プラン
(6). 資金、事業用資産等の承継プラン
相続対策支援センターの経営承継支援の内容
経営承継は冒頭に申しあげました通り、「黒字決算の継続により後継者が引き継ぎたいいい会社を創ること」から、支援の内容も黒字決算の継続支援及び経営承継法制・税制の活用となります。
相続対策支援センターの支援メニュー
(1). 黒字決算の継続支援
(ア) 迅速な月次決算の支援
(イ) PDCAサイクルによる確実な業績達成支援
(ウ) 経営者の計数管理能力の育成
(エ) 適正申告の実現の支援など
(2). 経営継承法制・税制の活用
(ア) 特例事業承継税制の活用支援
(イ) 事業承継税制(相続税納税猶予制度他)の活用支援
(ウ) 財産評価に係る自社株評価シミュレーション支援
(エ) 相続税・贈与税シミュレーションと対策支援
(オ) 遺産分割、遺言、信託党の活用支援
(カ) 種類株、会社法等の活用支援など